教師と弁護士のホットライン
いつでも何でも気軽にアクセス
  このホットラインは、教師の方がいつでも何でも気軽に弁護士にアクセス出来ることを目的として開設しました(http://www.bengodan.net/kyoshihot/) 。多くの教師の方にとり弁護士は縁の薄い、あるいは縁の遠い存在だと思います。気軽に弁護士に意見を聞くということはほとんどなく、身近に知り合いの弁護士がいない教師の方も多いと思います。最近は教師も損害賠償責任保険に入っていて、いざという時には弁護士を依頼するシステムができていると聞いていますが、そのような非常時は別として、日常のちょっとしたことで弁護士の意見を求めることは日本の社会では根づいていないと思います。これは教師にかぎったことではなく、ほとんどの日本人に共通することで、この点については私たち弁護士の側にも責任があります。

今の教師をとりまく過酷な労働環境
  今多くの教師が置かれている状況はきわめて過酷な状況にあると思います。勤務時間一つをとっても、朝7時半には学校に行って、生徒の登校を待ち、会議やさまざまな雑務に追われ、学校を出るのは早くて夜8時すぎというのが日常茶飯事化しています。12時間以上学校に居ながら生徒とゆっくり向きあうゆとりがなく、多くの教師は決められた校務をこなすのに精一杯で休み時間も自由になりません。以前の多くの教師は午後4時頃には学校を出て一人ひとりの生徒のことを考えるゆとりが教師の側にありました。マクドナルドなどの名ばかり管理職のことが問題とされましたが、教師全体が名ばかり管理職で、現在の勤務実態は問題が山積みしています。

孤立する教師たち
  そうではあっても教師の側から現状改善の声が挙がりません。挙げることができないのです。教育委員会、PTA、保護者、生徒の板ばさみの中で孤立しているのが教師の実像のように思います。モンスターペアレント(wikipedia)という言葉が定着するほど保護者の力が強くなっています。板ばさみの中でうつ病に陥り、教壇に復帰することができない教師も少なくありません。教育現場では生徒の自殺や教師の自殺という悲惨な現実が日々発生しています。どちらの場合にも責任追及の矢面に立たされるのは担任教師であったり、校長です。

私たち弁護士チームの自己紹介
  私たちも当然のこととして親族、友人、知人、後輩に多くの教師の知り合いをもっています。そのような中で私たちは“今の先生は気の毒だな”“今の先生はとても疲れている”という認識を共有しています。“心身ともに疲れきっている学校の先生の相談相手になろう”という単純な思いから教師ホットライン弁護団設立を進めています。それとともに教師の方と力をあわせて子どもたちがのびのびと学べ、教師がのびのびと教育できる健全な教育現場をとりもどしたいという願いもあります。このチームは“働くうつの人のための弁護団http://utsu-bengodan.main.jp/)”“働く障害者の弁護団http://www.bengodan.net/shogaisha/)” などにもかかわっています。一緒に取り組んでくれる弁護士は全国にいます。準備会を結成まもなくのため弁護士体制はまだ十分ではありませんが、できるだけ迅速な対応に心がけます。

ホットラインを利用できる方と利用できる内容
  教師であれば誰でもこのホットラインをご利用できます。校長、副校長、教頭など管理職の方もどうぞご利用下さい。
  利用できる内容はどんなことでもかまいません。ご自分が生徒の人権侵害をしたと思って悩んでいる方もご利用ください。教育問題にかぎらず、家族のことなどでもかまいません。また相談でなくても意見を聞きたい、意見を言いたいという場合でもご利用下さい。法的なこととはかぎりません。
  一見法律とは無縁なことでも、日本も法治国家ですからあらゆることは法律に結びついています。弁護士の意見を聞いて心の整理ができたということをよく聞きます。


医師も教師も名ばかり管理職 是正勧告等
【医師について名ばかり管理職と是正勧告/滋賀県立病院に労基署】
独立行政法人 労働政策研究・研修機構/メールマガジン労働情報NO.430:2008/4/25 発行より)

 滋賀県守山市の県立成人病センター(河野幸裕病院長)で、管理職の医師が、権限がないのに残業代が支払われない「名ばかり管理職」の状態に置かれているとして、大津労働基準監督署が労働基準法に基づく是正勧告をしていたことが23日、分かった。

 名ばかり管理職をめぐっては、未払い残業代の支払いを求める訴訟や労働審判が相次いでいる。公立病院にも同様の問題があることが明らかになったが、センターを運営する県病院事業庁関係者は「医師不足が要因となっている」と説明している。

 大津労基署は内部告発を受け、今月11日、センターに立ち入り調査。同事業庁から事情を聴き、勤務日誌など関係書類を調べた。
 この結果、部長以上の管理職の医師で、勤務終了後5〜6時間の残業が常態化。月数回の夜間当直では、夜間診療や急患対応に追われ、当直が明けても深夜まで連続勤務する場合も多かったが残業代は支払われていなかった。

 さらに一般の医師も同様の勤務状態にあったが、一日8時間の法定労働時間を超える残業をさせる場合、労使協定を結んで労基署に届け出なければならないとの労働基準法の規定も守られていなかった。

 同事業庁の谷口日出夫庁長は「勧告を受けたのは誠に遺憾。今後、専門家を交えて協議し早急に対応したい」と話している。

 センターは、がんや循環器、脳神経疾患などの三大生活習慣病に対する拠点病院として1970年に創立。4月1日現在で、病床数は541、常勤の医師77人。2006年度の入院患者は延べ約13万8,000人。外来患者は約22万8,000人。
(共同通信)4月 24日

【教諭自殺、公務災害と認定/東京高裁が逆転判断】
独立行政法人 労働政策研究・研修機構/メールマガジン労働情報NO.430:2008/4/25 発行より)

 静岡県内の小学校の養護教諭だった尾崎善子さん=当時(48)=が2000年に自殺したのは、過重な仕事が原因でうつ病を発症したためとして、母親が公務災害と認めるよう求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は24日、うつ病による自殺と公務との因果関係を認定。請求を棄却した1審判決を取り消した。

 浜野惺裁判長は「尾崎さんは経験したことのない事態に次々と遭遇し、精神的に深刻な危機に陥り、抑うつ状態になった」と認定。「担当する特別支援学級に、行動に問題がある男児の体験入学を進める重圧で、うつ病を発症して自殺したと認められ、公務との間に相当の因果関係がある」と結論付けた。

 高裁判決によると、2000年1〜2月、尾崎さんの特別支援学級に、友人に突然暴力を振るうなど行動に問題がある男児が体験入学。尾崎さんは、ほかの児童をけったり、髪の毛をつかんだりする男児の対応に悩み、その前後にうつ病となり、同年8月に自殺した。

 母親は、地方公務員災害補償基金静岡県支部で公務災害ではないと認定されたため、この処分取り消しを求め提訴した。
(共同通信) 4月 24 日

【京都地裁 教員の月67〜108時間の超勤を残業と認めず 超勤100時間超の教員についてのみ京都市に55万円の支払いを命令】
MSN 産経ニュース 2008.4.23 より

 違法な残業を行わせたうえ健康保持のための安全配慮義務を怠ったとして、京都市立小、中学校の教員ら9人が市に総額約3300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が23日、京都地裁であった。中村哲裁判長(異動のため辻本利雄裁判長が代読)は、残業そのものの違法性は認めなかったものの、残業が月100時間を超えた教員について「勤務が過重にならないよう管理する安全配慮義務を怠った」として、市に55万円の支払いを命じた。

 ほか8人の請求は棄却した。原告、被告とも控訴する。

 判決によると、原告側は授業の準備や部活動の指導などで月に約67〜108時間の超勤があったと指摘。「教職員の残業を原則禁止する給特法に違反する」と主張し、慰謝料や未払いの賃金の支払いを求めた。

 判決で中村裁判長は残業について「自発的、自主的な側面がみられる」として違法性は認めなかったが、「市は教員が心身の健康を損なうことがないよう、勤務時間を管理する義務がある」と指摘。残業が月100時間超と、原告で最長だった中学校教員(47)について「校長は時間外勤務が極めて長時間に及んでいたと認識、予見できたのに改善措置を取らなかった」として安全配慮義務違反を認定した。

【私の意見】
1 前回のブログで教師は名ばかり管理職と述べましたが、医師の世界も長時間労働が当然視されています。教師・医師→聖職→黙々と働くのが当たり前であり善である、という公式の中で、残業手当も支給されず黙々と働かされているのが多くの教師や医師の実態です。働くのは善ですが、8時間を超える労働は労働の質が低下し悪に転化します。働かないことは善というラテン系の美徳が日本人には欠けています。
2 京都地裁の判決には全く納得いきません。各自治体の条例では「教育職員については、原則として正規の勤務時間を超える勤務はさせないものとする」「正規の勤務時間を超える勤務をさせる場合は、臨時又は緊急にやむを得ない必要があるときに限るものとする」と既定しており「京都市教職員の給与等に関する条例」第27条の2にも明確に規定されています。京都地裁は残業が当然視され残業をせざるを得ない教育現場の実態に目をつぶっています。政府、自治体が国民の基本的人権を侵害しても許される環境を日本の司法が支えていると思うことが少なくありません。本件もその一つだと思います。


ステップ1 相談申込みと電話相談によるホットライン(無料)

相談したい方は事務局までメール、ファックス、手紙でお申込み下さい。効率的で充実した対応をめざしています。そのため、メール、ファックス、手紙のいずれかで相談内容を事前にお送り下さい。電話でのご相談は緊急の場合を除き受け付けておりません。相談内容を詳しく書いていただいた方が弁護士の対応がスムーズに、また的確に出来ます。相談内容について秘密を厳守することは言うまでもありません。弁護士から連絡する場合の連絡先・連絡時間をあわせてご記入下さい。
相談申し込みに対し、弁護士から電話等で何らかのご連絡をさせていただきますが、10日以上経っても連絡が無い場合はお手数ですが、事務局(銀座通り法律事務所:http://www.ginzadori-law.jp/)までご連絡下さい。
この段階の相談は無料とさせていただきます。電話相談の段階でできるだけ問題を整理できるよう心がけます。弁護士と電話しただけで“方向性が定まり、ほっとした”と言われる方が少なくありません。私たちはこの段階の相談こそホットラインとして重視し力を入れています。無料ですからどんどんご相談やご意見をお寄せ下さい。

ステップ2 面接談(原則有料)
ステップ1の結果により、更に面接してより具体的な事例相談を希望されるときは、原則として有料です。一般の法律相談は30分あたり5250円が原則です。具体的な相談もメール、ファックス等を活用し、効率的な対応を心がけています。
ステップ4 具体的な事件の依頼(原則有料)
ご相談の結果によって退職を迫られているとか、復職を認めてもらえないとかの場合のように、弁護士が代理人として関与した方がよいと思われるケースについては,学校関係者、教育委員会などと‘交渉’したり、時には法的手段をとることがあります。
具体的な事件依頼のときの弁護士費用は、依頼時に支払う着手金と希望にそって解決ができたときの報酬金の二段階になっています。弁護士費用はご依頼内容とかかる手間によって違いますが、例としてうつ病が改善しているのに復職を拒否されているケースは、代理人として弁護士に依頼する場合の着手金は、30万円前後を一応の目安としてお考え下さい。希望にそった解決が得られた時の報酬金も同じです。収入がないなどの事情がある場合は減額や支払猶予をさせていただきます。
ご相談をしたからといって弁護士に事件を依頼するかどうかは全くご自由です。

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